高潮への備え 身を守るための方法とは?

台風や急発達した低気圧が接近する際は、大雨や大雪、暴風だけでなく、高潮にも注意が必要です。高潮とは、名前の通り、海面の高さがいつもより異常に高くなる現象のことを言います。高潮が発生すると、海岸付近の海抜の低い土地を中心に大規模な浸水し、大きな被害を及ぼします。

そこで今回は、高潮が発生するメカニズムと、避難する際の注意点について解説します。

気圧低下と吹き寄せで海面が上昇する

台風が接近して気圧が低くなると海面が上昇する「吸い上げ」という現象が起こります。そして、強風で海岸に海水が押し寄せる「吹き寄せ」という現象も起こります。さらに満潮時刻と重なると、さらに潮位が高くなります。

「吸い上げ」「吹き寄せ」「満潮」の3つが揃うと、沿岸の海面が3〜4m上昇し、堤防や防潮堤を越えて海水が流れ込んでくるのです。

海岸付近の低地はもちろん、海水の逃げ場がなく水位が上がりやすい湾奥部、高潮と洪水の両方の危険が重なる可能性のある河口部などは、より一層潮位が上がりやすいので、高潮による浸水被害の特に危険なエリアとされています。

高潮から身を守るためには

河川氾濫を想定した「洪水ハザードマップ」はよく知られていますが、沿岸の市町村の多くが「高潮ハザードマップ」を作成しています。高潮が発生したら自分の家がある場所は浸水深がどのくらいになるのか、地図上で確認することができますので、各自治体のページから確認してみてください。

また、台風の中心が近くを通るほど、高潮の影響が大きくなりますので、必ず最新の予想進路を確認してください。さらに、満潮時刻はもちろん、満潮時刻の前後数時間は、潮位が短時間のうちに異常に上昇することがあります。最新の気象情報とともに、満潮時刻も事前にチェックしておく必要があります。

そして、高潮から身を守るためには、何よりも早めの避難が肝要です。ただし、暴風が吹くなど外への避難が難しい場合には無理をせずに、できるだけ高い場所へ逃げて待機するようにしましょう。気付いた時にすでに高潮が迫っていた場合は、あせらず落ち着いて、命を守るための最善の行動をとるよう心掛けてください。

参考資料など

内閣府・消防庁・農林水産省・水産庁・国土交通省・気象庁「高潮災害とその対応」、国土交通省四国地方整備局「津波(つなみ)と高潮(たかしお)はどう違うの?」(http://www.skr.mlit.go.jp/bosai/bosai/tounannkai/kisochishiki/tunamikankei/douchigauno/douchigauno.html)