今年の花粉は「西低東高」型
静岡は昨年の2倍、佐賀は昨年の9割減
2015年春のスギ・ヒノキ花粉の飛散量は全国で昨シーズンの約80%となりました。東北~関東、東海の飛散量は昨シーズンよりも多く、静岡県では昨年の約210%、栃木県でも約190%を観測しています。一方で、西日本の飛散量は昨シーズンよりも少なく、九州北部では昨シーズンの約10~20%の飛散量となりました。
東日本で昨シーズンより花粉の飛散が多くなった要因として、昨夏は晴れて暑かった日が多く、花粉の雄花の生育に適していたこと、また、今シーズンの東日本や東北は花粉が放出されやすい”表年”であったことが要因として考えられます。
一方、西日本で昨シーズンより飛散量が少なくなった理由としては、昨夏は中国、四国、九州を中心に曇りや雨の日が多く、雄花の生育に不向きな天候となったこと、そして四国(特に太平洋側)では花粉が放出されにくい“裏年”に当たったことで、より花粉が飛びにくい状況になったことが考えられます。
ちなみに、平年(2008-2014年の平均)の飛散量と比較すると、今シーズンは山形で約130%、青森で約120%など平年より飛散が多かったエリアはあるものの、全国的には平年の約60%の飛散量となりました。

今年の花粉は短期集中!
ピークは昨年より1〜2週間早めに到来
今年の1月末〜2月上旬にかけて平年・昨年より寒い日が多くなりました。このため、この時期に花粉シーズンに入ることの多い関東や九州の一部では、スギ花粉のシーズン開始が昨シーズンより1〜2週間遅れました。
2月中旬からは急に暖かい日が増えたことで、西・東日本の広い範囲でスギ花粉の飛散シーズンに突入。その後は全国的に平年より暖かい日が続いたため、2月下旬〜3月始めにかけて関東〜東海、西日本の広い範囲で昨年よりも早く本格的なスギ花粉のシーズン開始に。花粉飛散のピーク時期も、東・北日本では昨シーズンより1〜2週間ほど早まりました。さらに、スギ・ヒノキ花粉のシーズンも広いエリアで昨シーズンより1〜2週間早く終了。結果として、日本列島全体でみると、今シーズンのスギ・ヒノキ花粉の飛散は短期集中型となりました。
北海道のシラカバ花粉の飛散量は昨シーズンより少なくなりました。昨夏は晴れて暑い日が多く、雄花の生育に好条件となりましたが、今シーズンは花粉を放出しにくい裏年であったことが強く影響したと考えられます。また、飛散のピーク時期は昨シーズンとほぼ同じか数日早くなりました。