人気!気象予報士 初耳インタビュー(6)

TBS『ひるおび!』お天気キャスターの「天気予報を面白く観る」法

気象予報士
森朗(もりあきら)さん
撮影/晴山順平
森朗(もりあきら)さん
テレビの天気予報を数倍、面白く観るコツや、今後の地球の天候の大胆予測まで、お昼の情報番組『ひるおび!』(TBS系)で、丁寧でわかりやすい語り口と穏やかな人柄が人気の森朗さんにあますところなく語ってもらった。

天気予報を数倍、面白く観るコツとは?

──いつも手作り感たっぷりのボードや模型などを使ってお天気のことをわかりやすく解説されていますが、「ココに注目すると、天気予報が何倍も面白くなる!」というポイントはありますか?
今は、いろいろなタイプの天気予報の番組がありますが、「明日は晴れか雨か」という結論よりも、「どうしてそういう予報を出すのか」という解説部分に注目して観るのがおすすめです。
というのは、結論だけならインターネットで検索すればすぐに出てくるでしょう。でも、その結論に至るまでには、天気図や衛星画像、過去のデータなど、さまざまな裏付けの理由が考えられています。そこを少しでもわかりやすく説明しようと工夫しているのが解説部分です。
随時更新される天気図を社内でチェック
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ですから、「この人は、こういうふうに研究や解釈をした結果、こういう予報にたどり着いたんだな」と想像しながら観ていただくと、天気予報自体も面白くなるし、その気象予報士への信頼性が増すなど、天気予報をもっと身近に感じてもらえると思います。
──番組や気象予報士によって、予報の伝え方が異なることもありますか?
それがわかるのも、実は解説をしている時なんです。たとえば、言葉の使い分け方にもヒントが潜んでいます。「ひょっとすると~」「~の恐れもあるでしょう」などと幅を持たせた言い方で天気を予報するパターンもあれば、「必ず~ですのでご注意ください」のようにしっかり断定しているパターンもある。
伝える情報に根拠があるかどうか、自信があるかどうかは、解説の時のこういうちょっとした言葉の使い方にも出てしまうものですから。ぜひ、聞き分けてみてください。
──毎日出演されているお天気コーナーで取り上げるテーマについては、どのように決めているのでしょうか。
こちらが知っていることや話したいことを披露するのではなく、あくまでも素朴な疑問がベース。「明日、天気のことを話すとしたら、何を話そうか」という極めてシンプルなアイデアを出すところからスタッフとのミーティングはスタートします。
たとえば、「熱帯低気圧ってたくさんできているけれど、今までそんなことってあったっけ?」「でも、それって台風じゃないから、危険じゃないんでしょ?」といった、小さな疑問を集めていき、一つのテーマとして成立するかどうかを検討します。
つまり、「今、世の中が興味を持っているのはコレだよね」「こんなことも話題になっているようだよ」「じゃあ、こういう切り口で天気と絡められないかな」というように、身の周りの疑問から仮説を立てて検証していくようなアナログスタイルのプロセスです。