「日本一星が美しい村」をみなさんご存じですか? 長野県にある阿智村(あちむら)という場所です。この阿智村は、環境省が実施する全国星空継続観察(2006年度)で「星が最も輝いて観える場所」の第1位に選ばれた「星の村」。今回ウェザーニュースの天文部マネージャーとして星の素晴らしさをお伝えするため、私、ウェザーニュースキャスター山岸愛梨が現地に行ってお話を聞いてきました。
雨でも星を楽しめる!?
期待を胸に阿智村へ出発
7月のある日、その日の予報は雨。今回ばかりは「外れてほしい!」と願ってしまいました。しかし事前の調べで阿智村では、雨の日でも星を堪能できるということだったので、期待を胸に出発しました。
東京から車で5時間ほど走り阿智村に到着。そして標高800mの富士見台高原ロープウェイ「ヘブンスそのはら」山麓駅からゴンドラに乗り標高1400mの山頂駅を目指します。
ゴンドラは上昇と下降を繰り返しながら、高低差600m、全長2500mのルートをゆったりと15分ほどかけて走ります。蒸し暑かった山麓駅と打って変わって、山頂駅では少し涼しく感じました。
「日本一の星空ナイトツアー」
夜のイベント開始まで、山頂駅マウンテンロッジ内ではプラネタリウムや星の写真展の鑑賞、屋外の会場周辺を散策するなどして自由に過ごします。そして、いよいよ「日本一の星空ナイトツアー」メインプログラムの時刻に……なったところで「ザァーっ!!!」とこの日一番の雨が降ってきて、残念ながら屋外でのイベントは中止となってしまいました。
その後メインプログラムとなっていた「星のお兄さんショー」は屋内会場で開催されたのですが、移動してみてびっくり。イベントの要である「星空」が全く見えないにも関わらず、お子さんから年配の方まで200人以上のお客さんが会場に集まっていたのです。
「星のお兄さんショー」は豊富な知識に巧みな話術を織り交ぜ、会場のお客さんからは拍手や笑い声が絶えず、星が大好きな皆さんと一緒に私も楽しませていただきました。
この「日本一の星空ナイトツアー」のプロジェクトを支えるのがSF的なコスチュームを身にまとった「スターガイド」のみなさんです。
参加者に満天の星空をより楽しんでもらうために、季節の星座など中心にワクワクする星の物語を語ってくれます。この日のスターガイドさんたちの「晴れていたらこんなにきれいなんですよ!」とプロジェクターを使って「日本一の星空」の魅力を一生懸命に説明される姿には心から共感しました。
今回のような天気であれば、お客さんも残念な気持ちのまま帰途につくところですが、阿智村が提唱する「星空エンターテインメント」により、みんなで星の世界観を共有して楽しむことで、満足そうに帰っていくお客さんたちの顔がとても印象的でした。
【日本一の星空ナイトツアー】
山頂駅で星を観賞するナイトツアー。月夜に望遠鏡での観察を楽しむ「アストロメトリックテレスコープ アルテミス」や、ジャズの生演奏を楽しみながら星空を観賞する「ミュージックウィーク オルフェウス」など、日替わりで様々なイベントが用意されている。ゴンドラ往復大人2200円、小中学生1000円、幼児無料。
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