天気痛予報
台風10号による気圧低下 広範囲で警戒〜注意ランクに
2024/08/27 15:18 ウェザーニュース
非常に強い勢力の台風10号(サンサン)が日本列島を直撃し、この先一週間は気圧が大きく変動する見込みです。
9月1日(日)にかけて広範囲で警戒~注意ランクの天気痛が続く予想です。気圧の変化で頭痛や関節痛などの天気痛・気象病の症状が出やすい方は体調管理を万全に行ってください。
その不調、台風のせいかも?
27日(火)13時現在
台風シーズンの期間は頭痛やめまいなどの天気痛・気象病に悩む人が増える傾向にありますが、遠く離れた台風にも天気痛の症状を訴える敏感な人がいます。また、普段は天気痛・気象病を起こさない人でも、大きく気圧が変わる台風の時だけ頭痛やだるさといった身体の不調を起こす人もいます。
非常に強い勢力の台風10号は今日8月27日(火)13時現在、鹿児島県奄美市の東をゆっくり西寄りに進んでいます。
台風は非常に強い勢力を保ったまま29日(木)頃に九州本土に接近・上陸し、9月1日(日)にかけて比較的遅い速度で西日本から東日本に向けて日本列島を縦断する見込みです。
ウェザーニュースの天気痛予報では、9月1日(日)にかけて広範囲で警戒〜注意ランクになるとみており、個人差はあるものの頭痛や関節痛などの天気痛の症状が出る可能性があります。痛みや身体の不調がひどくなる前に早めに対策を行ってください。
» 最新の台風情報
そろそろ梅雨の足音も
本州の梅雨入りが近づいています。
今年は全国的に梅雨入りの時期は「平年より遅く」、梅雨明けの時期が「平年並み」の予想です。梅雨期間が短くなる見通しですが、雨量は全国的に「平年並みか多く」なる見込みです。このため、曇りや雨の日が多く、気圧変化が大きくなる日が続くおそれもあります。
本格的な梅雨シーズンを迎える前に、起床時間を一定にしたり、十分な睡眠を摂るなど生活のリズムを整えて天気痛・気象病の症状の軽減を講じてみてはいかがでしょうか。
天気痛は「気圧」がポイント
晴れや雨などの天気の変化だけでなく、気温や湿度のほか気圧なども大きく関係していると言われています。
特に気温・湿度については、「暑い・寒い」、「湿っている・乾燥している」など、日々の体感で変化を感じられますが、気圧の変化についてはなかなか体感で感じることができません。
ウェザーニュースの天気痛予報は、原因となる気象要素の中でも、肌で実感しにくい気圧の変化に着目して天気痛の予測ロジックを組み立てています。
(2)1日2回、ほぼ決まった時間で繰り返す気圧のアップダウン(大気潮汐)
一方で、天気図には明瞭に表現されることがないが天気痛を感じるパターンがあります。これは「大気潮汐」が関係している可能性があると考えられています。
大気潮汐を分かりやすく説明すると、昼間に太陽光で大気が温められることや日没後に冷やされることなどよって発生する周期的な気圧変化の事を指し、図のように1日2回、気圧のアップダウンを繰り返す半日サイクルの変動の気圧変化となります。
この周期はヒトの生体リズムの周期と一致している可能性があり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/1000レベルの変化となっていますが、天気痛の引き金となります。
この変化は一般的に9時頃と21時頃に高く、3時頃と15時頃に低くなります。低気圧や台風などが存在しない時でも気圧の変動幅は数hPa程度あるようです。
梅雨の足音
このアップダウンの変動の幅が平均的な状態より大きくなった時にも天気痛発症のリスクが高まるということもこれまでの調査から分かっています。
(3)周期性のある小さな気圧変動
最後に、微気圧変動と呼ばれるもので先ほどの大気潮汐よりも小さな変化となり、(1)の天気図レベルの気圧変動と比較すると1/10000レベルのごく微小な変化に相当するものです。
微気圧変動の例としては、低気圧接近時や積乱雲の発生時、山越えの気流の影響で発生します。
微気圧変動に伴う気圧変化量1hPa以下で、継続時間は数分から数十分程度と短いですが、発生すると1日に複数回押し寄せるパターンが多いです。
上記2パターンよりも小さく細かい振動ですが、天気痛に敏感なセンサーをもった方はこのような微小な変化でも影響があると考えられています。