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「うがい」はインフルエンザ予防に効果なし?有効な予防法は

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2018/01/27 07:25 ウェザーニュース

いまインフルエンザが猛威を振るっています。この1週間(15〜21日)に全国の医療機関を受診した患者は推計で約283万人(前週は約171万人)。この20年間で最多となり、大流行が懸念されています。
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ところで、これまで「インフルエンザ予防は、うがい、手洗い、マスク」といわれてきましたが、このうち「うがい」が外れたのをご存知ですか?

首相官邸HPに明記

「うがいは、一般的な風邪などを予防する効果があるといわれていますが、インフルエンザを予防する効果については科学的に証明されていません」と明記しているのは、首相官邸HPの「(季節性)インフルエンザ対策」(最終更新日:平成28年8月16日)です。

厚生労働省のHPやパンフレットからも、それまで記載されていたインフルエンザ予防から「うがい」が外されました。「うがいはインフルエンザを予防する効果があるというエビデンス(科学的根拠)がなかったからです」と同省の担当者が語ります。

疑問視されていた「うがい」の効果

うがいのインフルエンザ予防効果については以前から疑問視されていました。というのは、インフルエンザウイルスを吸入し、のどの粘膜や気管支の細胞に付着した場合、細胞の中へ侵入するのに要する時間は数分〜20分といわれているからです。

流行期でウイルスが空気中に多数あるときは、数分〜20分ごとにうがいをしないとウイルスの侵入を防げないことになります。しかし、それは現実的ではありません。首相官邸のHPはそれを追認した格好です。

厚生労働省が推奨する予防法は?

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「うがい」にインフルエンザ予防効果がないとしたら、感染予防はどうしたらいいのでしょうか? 厚生労働省のHPには「インフルエンザを予防する有効な方法」として次のことを推奨しています。

(1)流行前のワクチン接種

(2)咳エチケット
咳やくしゃみを他の人に向けて発しない/咳やくしゃみが出るときはマスクをする/とっさのときにマスクがないときはティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆う/鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐゴミ箱に捨てる/手のひらで咳やくしゃみを受け止めたときはすぐに手を洗う

(3)外出後の手洗い
流水・石鹸による手洗いはウイルス除去に有効/アルコール製剤による手指衛生も効果的

(4)適度な湿度の維持
乾燥しやすい室内では加湿器などを使って適切な湿度(50〜60%)を保つ

(5)十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高める

(6)人混みや繁華街への外出を控える
特に高齢者・基礎疾患のある人・妊婦・体調の悪い人・睡眠不足の人は人混みや繁華街への外出を控える/やむをえず外出するときは不織布製マスクを着用する

この数週間がインルエンザ流行のピークです。感染予防を心がけてください。

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