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サハラ砂漠の雪で世界がビックリ! 2018年初頭から地球規模で気象の極端現象!

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2018/01/19 12:30 ウェザーニュース

年明け早々、日本は北陸で記録的な豪雪となりましたが、世界各地でもシベリアでマイナス67℃を記録したり、サハラ砂漠に雪が降るなど異例の気象現象が発生しています。その原因は、太平洋のラニーニャ現象、カムチャッカ半島の大規模噴火、世界的な地球温暖化などが指摘されています。

アメリカやシベリアで猛烈な寒波

年末から寒波に襲われていたアメリカ北東部で1月4日、吹雪で約8万個が停電、交通機関にも混乱が生じました。非常事態宣言が出されたニューヨークのラガーディアン空港とジョン・Fケネディ空港は視界不良のため航空機の離発着を中断するなど全米で5000便が欠航。

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カナダとアメリカの国境にあるナイアガラの滝も凍結した(写真:AP/アフロ)
米国立気象局は被害海岸一帯に暴風雪警報を発令。風速は30m/sを超え、ボストン周辺では30cmの積雪、ニュージャージー州の一部地域では45cmの積雪を記録しました。ふだんは温暖なフロリダ州では30年ぶりに降雪に見舞われたのです。

また、ロシア極東やシベリア各地でも記録的な大寒波に。先日17日までに東シベリア・サハ共和国ではなんとマイナス67℃を記録しました。

サハラ砂漠に雪が降る

アメリカ東部とは大西洋をはさんだアフリカ大陸にも異変が起こっていました。1月7日、冬でも太陽がカンカンと照りつけるサハラ砂漠で異例の降雪を観測しました。

「サハラ砂漠への入口」として知られるアルジェリアの町アインセフラでは気温が1℃まで低下。実は1年前の2016年12月に36年ぶりに降雪が観測され、2シーズン連続の降雪となったのです。

オーストラリアでは歴史的猛暑

寒さに震える北半球と対照的に、南半球のオーストラリアは歴史的猛暑に見舞われ、シドニー郊外のペンリスでは47.3℃に上昇し、79年前(1939年)の47.8℃に次ぐ史上2位を記録しました。この猛暑のためテニスの「シドニー国際」が中断され、一部の道路ではアスファルトが溶けて大規模な渋滞が発生しましました。

地球規模で極端現象の原因は?

こうした極端現象の原因の一つとして指摘されるのが地球温暖化です。

18日には米航空宇宙局(NASA)が2017年の世界の平均気温が1880年以降の観測史上2番目の高さだったと発表。改めて温暖化の歯止めがかかっていない事が示されています。

ウェザーニュースの気象予報士、森田清輝さんが語ります。

「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の『第5次評価報告書(2013〜14年)』は、地球温暖化により熱波、干ばつ、洪水、低気圧(サイクロン)、森林火災などのリスクが高まるとしています。その一方で、寒波、極寒、降雪など地球温暖化に反するような現象は、以前より頻度は減るものの、パワーアップした形で出現する、つまり気象現象の振幅が大きくなるというのです」

同報告書は、地球温暖化がもたらす8つのリスクをあげていますが、その一つが「極端な気象現象によるインフラ機能停止」です。アメリカの大寒波、オーストラリアの熱波という極端はその典型例。今年も気候の極端現象に要警戒です。
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