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都内で富士山を遥拝できる神社は?

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2017/12/25 06:48 ウェザーニュース

富士講といえば、富士山に実際に登ってお参りをすることですが、富士山に登らなくても、富士山にお参りをすることができるのです。

富士信仰とは

2013年に世界文化遺産に登録された富士山ですが、その理由は「信仰の対象と芸術の源泉」にあるそうです。富士山や浅間山を信仰する風習は万葉集のころから見られ、富士山をご神体とする富士山本宮浅間神社の祭神は木花咲耶姫(コノハナノサクヤヒメ)です。

一説には噴火を繰り返す富士山を鎮めるために、火の神を生んだ存在である木花咲耶姫が祀られたといいます。富士山が噴火せず、関東圏の土地が安寧を得るために生まれた信仰だったというわけですね。

都内で富士山を遥拝できる神社は?

富士信仰は富士山に登ることが本来なのですが、富士山を思いながら拝む「遥拝」でも、富士山への信仰を表すことができるのです。

遥拝とは、神仏の方角を向いて離れたところから拝むことです。昔は都内にも富士山がのぞめる神社は多かったのですが、今は街の景観も様変わりしたため、富士山を信仰する神社でも、実際に富士山が見えるところは少なくなりつつあります。

しかし、それでも都内に2箇所、富士山を遥拝できる神社があるのです。

北澤八幡神社(世田谷区)

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小田急線、京王井の頭線「下北沢」駅から徒歩10分にあるこの神社は、応神天皇を祭神とする八幡神社ですが、境内から西の空を見ると、天候に恵まれれば、きれいな富士山を拝むことができます。

多摩川浅間神社(大田区)

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東急東横線多摩川駅にほど近い浅間神社で、まさに富士信仰のために建てられた神社です。祭神はもちろん木花咲耶姫。社務所の屋上に登ると、多摩川越しの西方向に富士山を拝むことができます。

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多摩川浅間神社から見られる富士山
富士山に登るのは大変という方でも、富士山を遥拝するという形でお参りをすることができるのです。2018年の初詣は、いつもとは少し場所を変えて遠くから富士山を拝む、というのも良いのではないでしょうか。

参考資料など

『大江戸のお富士さん 富士信仰と巡る富士塚』(富士信仰研究部会)、『富士塚と富士講』(大野一郎)
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