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【火山情報】霧島 新燃岳 火山活動が高まる

夕方の新燃岳の様子(ウェザーニュース設置ライブカメラより)
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2017/12/02 18:06 ウェザーニュース

2日(土)16時00分、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、霧島山(新燃岳)の火山の状況に関する解説情報を発表しました。
新燃岳では、火山性地震が増加し、火山活動はやや高まった状態であると考えられます。

■ライブカメラを見る

火山の活動状況

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11/28からの火山性地震の回数(速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。)
福岡管区気象台・鹿児島地方気象台によると、新燃岳火口付近を震源とする火山性地震が昨日(1日)は48回、本日(2日)15時までは158回と増加し、振幅のやや大きな地震も時々発生しています。地震回数が100回を超えたのは、2017年10月18日の207回以来です。
火山性微動は11月30日以降、観測されていません。
 
地殻変動観測では、新燃岳の明瞭な山体膨張を示す傾斜変動は認められません。GNSS連続観測では、7月頃からみられていた霧島山を挟む基線での伸びが一時停滞していましたが、10月末以降、再び伸びがみられます。このことから、霧島山の深い場所でマグマが蓄積されていると考えられます。これらのことから、火山活動はやや高まった状態であると考えられます。

今後の火山活動の推移に注意してください。

火山性地震とは

火山性地震とは、火山やその周辺で発生する地震の総称で、地下で何らかの破壊現象が起きて発生すると考えられます。即、噴火につながるとは限りませんが、火山活動の高まりを示す指標のひとつと見られます。

防災上の警戒事項など

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(2011年の様子)3匹のこぶたさん
火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。

風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。また、爆発的噴火に伴う大きな空振による窓ガラスの破損や降雨時の土石流にも注意してください。
 
地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。