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冬将軍が来たら日本の気候はどうなる?

2017/12/10 12:34 ウェザーニュース

この季節の天気予報ではもはやお馴染みの「冬将軍」。
日本では“シベリア気団”もしくはそれによってもたらされる“強い寒さ”を表しています。
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生まれは極寒の地なり

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冬将軍の故郷はシベリア地方。冬は日射量が少ない上に、厳しい放射冷却も相まって、なんと氷点下50℃になることも。
そんな極寒の地で生まれ、成長した冬将軍もとい冷たい空気の塊が日本に来るとなれば、寒くないはずがありませんね。

寒さをもたらすだけでは終わらない!

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【日本海側に大雪を降らせる】
シベリアから季節風に乗って日本にやってくる冬将軍ですが、来る途中で暖流が流れる日本海で水蒸気を補給し、雪雲に変身します。
日本に到着する頃にはもくもくと発達し、日本海側に大雪を降らせるのです。

【太平洋側には空っ風】
日本海側でひとしきり雪を降らせ、すっかり水分がなくなったら、今度は空っ風として太平洋側にやって来ます。
乾いた風がビュービュー吹く太平洋側では、肌が乾燥するし風邪が大流行するしでこれまた大変です…。

冬らしい寒さは自然にとって大切

寒さが苦手な人からすれば、冬将軍はただただ疎ましい存在かもしれませんが、そんなに悪いものでもないんです。

例えば、漁師さんたちにとっては、低温を好む魚たちの水揚げ量が上がるというメリットがあります。
逆に冬将軍が来ることなく、暖かい冬になると、野菜の品質や価格が下がって、農家の方たちは経済的損失が大きくなるなどの影響が出てしまいます。

冬将軍が来ることによって、しっかり寒くなることは自然にとって必要なことなのです。

■ アメダス実況観測値

参考資料など

【参考・参照元】
「関さんに訊こうお天気の大疑問」,『季刊SORA』2010冬号vol.8,p54-p55,IDP出版