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爆弾低気圧 知られざる暴風被害の歴史

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2017/11/28 17:25 ウェザーニュース

爆弾低気圧(Bomb cyclone)とは?

英語のBomb cycloneを爆弾低気圧と訳したもので、急速に発達する温帯低気圧のことを言います。低気圧は発達すれば気圧が下がるわけですが、その下がり方が

24hPa ✕ sinφ/sin60° (φ:緯度 )

より大きくなるものをこのように呼んでいます。たとえば 北緯40° (秋田)であれば24時間で約17.8hPa以上気圧が低下するものになります。

日本付近では冬や春先に爆弾低気圧は発生しやすくなります。また暴風のエリアが急速に拡大することによって、穏やかな状況からいきなり暴風が吹き荒れるといった状況になりやすく、暴風が広い範囲で吹くことが特徴とされています。

2012年4月 爆弾低気圧により
各地で暴風被害

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最近では2012年4月3日から5日にかけて爆弾低気圧により暴風となりました。
2012年4月2日9時に中国大陸で発生した低気圧は3日9時の986hPaから3日21時には952hPaとなり、24時間で34hPa気圧が低下しました。このため3日13時38分には和歌山市のアメダス友ヶ島では最大風速32.2メートルの暴風を観測しました。西日本から北日本の広い範囲で暴風が吹き荒れ、倒木や家屋の損壊、電車の運休などの影響が出ました。

爆弾低気圧=暴風が吹き荒れる

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秋田県由利本荘市(2012/04/04 11:18)
急速に発達する爆弾低気圧。この言葉がニュースやメディアなどに出るようなときは、急に暴風が吹き荒れることが予想されているときです。交通機関の乱れや倒木や飛来物など屋外は危険な状況となるので外出は控えたほうが良いでしょう。

1970年福島県小名浜港に停泊中の貨物船が爆弾低気圧による強風とうねりで転覆し 15名が犠牲となりました。
(株)ウェザーニューズは、この事故がきっかけで創業されました。