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七五三よりも歴史は長い!15日に行われていた油祝い

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2017/11/15 06:02 ウェザーニュース

11月15日といえば七五三を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、昔はちょっと変わったこんな風習もあったんですよ。

かつてはポピュラーだった油祝い

皆さんは「油祝い」って聞いたことがありますか?
かつては日本の広いエリアで行われており、餅や油を使った料理を神様に供えて、油の収穫を祝う風習です。

しかし、この風習も時代とともに少しづつ意味合いや形が変わっていきました。

冬になると、料理や灯火として油を使う頻度が増えていきます。そのため、冬支度が始まる11月15日を油の使い始めとし、寒い冬を乗り切るために油を使った料理を食べるようになりました。

各地の過ごし方

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15日の過ごし方は、地域によって異なります。
先程も言った通り、滋養をつけるために油分のあるものを食べて過ごす日としており、地域によっては3食すべて天ぷらというところも。
他にも、新婚のお嫁さんの故郷から餅とともに髪につける油が送られてくる日であり、実家に帰って油をもらいにいく日でもありました。

また、昔は今と違って菜種などから自分たちで油を絞る作業をしていました。そこで15日を「油しめ」とし、休日にするところもあったようです。

どんな料理が食べられていた?

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油を使った料理には様々なものがありますが、油祝いではけんちん汁や天ぷら、油炒めなどが作られていたようです。今では普通に食卓に並ぶものばかりですが、当時の油は大変貴重なものだったので、こうした料理もごちそうでした。

油が豊富に使えるようになった今、油祝いはすっかり廃れてしまいましたが…今夜の夕飯に、けんちん汁や油炒めを食べながら、昔はこんな風習があったんだって!と話題にしてみるのもよいかもしれません。

参考資料など

【参考・参照元】
一般社団法人 日本植物油協会「植物油こぼれ話 冬を越す力を与えた「油祝い」と「油しめ」」http://www.oil.or.jp/trivia/abura.html
柳田国男(1946)『火の昔』角川学芸出版
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