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【伊勢湾台風】戦後最大級の高潮被害 今回の備えは

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2017/10/21 16:19 ウェザーニュース

21日10時時点で非常に強い勢力の台風21号。
接近時の勢力やコース、気圧配置が、戦後最大級の高潮被害をもたらした『伊勢湾台風』に似ています。甚大な被害を及ぼした原因の高潮についてまとめてみました。
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※なお上陸時の中心気圧は本記事での比較対象としておりません。現時点の状態では台風の中心から離れていても、高潮被害が出るほどの勢力なため注意喚起をさせていただく事を主な目的としております。

戦後最大級の被害を及ぼした「伊勢湾台風」

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伊勢湾台風での高潮被害の様子
出展:中部地方整備局木曽川下流河川事務所
伊勢湾台風は1959年9月26日18時、和歌山県潮岬付近に上陸。東海地方を縦断し、甚大な被害を及ぼしました。
この甚大な被害の主な原因は東海エリアで発生した大規模な高潮で、死者・行方不明者が合計5,000名以上のうち、高潮による被害は実に4,000人以上にのぼりました。

「吹き寄せ効果」&「吸い上げ効果」
ダブルの効果で記録的な高潮をもたらす

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記録的な高潮がを及ぼした原因は以下の2つです。

◆南風の暴風による吹き寄せ効果
伊勢湾は南側に開けた構造になっているため、南風が吹くと陸地に向かって波が吹き寄せます。風が強くなるほど、海面の水位は上昇します。

◆気圧の下降による海面の吸い上げ効果
伊勢湾台風では、929hPaという観測史上3番目の気圧の低さで和歌山県潮岬に上陸しました。台風の勢力が強く、台風の中心が近いほど、周辺の空気が海水を押し上げるため、気圧が1hPa下がると潮位は約1cm上昇すると言われています。

高潮に備える

高潮が発生すると、湾周辺地域で大規模な浸水被害が発生するため、台風接近時は警戒が必要です。高潮に対する日頃の備えについてまとめました。

◆高潮ハザードマップの確認
高潮に注意が必要な地域では各自治体から「高潮」に関するハザードマップが発行されています。高潮が発生した場合の浸水想定エリアを確認し、避難所・避難経路を事前に確認する必要があります。

◆3日分の食料・水の確保
大きな災害が発生した場合、救援活動が行われますが、救援物資が各自に届くまでには2~3日かかるといわれているため、非常時にそなえて3日分の食料・水を確保しておきたいものです。

地理的観点から、海抜高度の低い地域に大都市が密集し、居住地域が多い傾向にあります。今あなたが住んでいる地域が浸水しやすい地域なのかを事前に確認して、普段から台風などの自然災害に備えておきましょう。

>>各都道府県毎の詳しい影響を見てみる
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