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夏のオーストラリアで異常気象、”雷雨ぜんそく”で死者も

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2017/01/07 15:55 ウェザーニュース

暖気と寒気が急速に入れ替わった夏のオーストラリア南東部。激しい気温差だけでなく、住民たちに健康被害をもたらしました。
※こちらの記事はウェザーニュースの月刊デジタルマガジン「月刊SORA」に掲載中の記事を一部編集してご紹介しています。

ビクトリア州では40℃の猛暑

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日本が冬の現在、南半球は夏真っ盛り。その南半球にあるオーストラリアでは大変なことが起こっている。昨年(2016年)11月18日に南東部のビクトリア州が40℃の猛暑に見舞われ、州都のメルボルンでも35℃を記録。平年なら11月の最高気温は22℃のところだ。

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猛暑に見舞われたメルボルン
しかし、異常気象はそれだけではなかった。

タスマニアでは雪が降る

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11月に雪が降ったタスマニア
異常高温を記録したビクトリア州と海を隔てたタスマニア島では、その6日後の11月24日に気温が7℃まで下がり、雪が降ったのだ。10月まではタスマニア島で雪が降ることはあるが、11月下旬の降雪は珍しく、しかも近隣のビクトリア州で猛暑を記録した直後なのだ。

「雷雨ぜんそく」の被害続出!

雷雨に見舞われたビクトリア州

暖気と寒気が急速に入れ替わった11月21日夜、ビクトリア州は雷雨に見舞われた。激しい雨と雷、それに強風が吹き荒れる最中に、住民たちが「雷雨ぜんそく」を発症したのだ。
メルボルンでは救急車を要請する電話が5時間にわたって鳴りやまず、通常の1日の6倍に当たる1870件を記録。その多くが、ぜんそくの発作と呼吸困難を訴えるものだったという。

「雷雨ぜんそく」とは花粉症の一種で、ライグラスというイネ科の植物の花粉が飛散している時期に雷雨が重なると発症する。花粉が水分を急激に吸収すると膨張・破裂し、気管支や肺まで入り込み、アレルギー反応を引き起こすのだ。
この「雷雨ぜんそく」でビクトリア州では数千人が病院で受診し、11月末までに8人が死亡している。
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