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迷走台風10号 過去の複雑な動きの台風をピックアップ

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2016/08/26 00:30 ウェザーニュース

現在、非常に強い勢力の台風10号は南大東島の東の海上をゆっくり南西に進み、大東島では27日(土)頃まで荒天が続く恐れがあります。
今後も勢力を強めながら、26日(金)には北東に方向転換し本州の南海上に向かう予想です。

ただ動きが複雑なため、来週の進路はまだ確定できない状態です。そこで、過去に迷走した台風は、その後どのように進んだのか紹介します。

Uターンした例

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【例1】1955年の台風9号

1955年の台風9号は九州の南の海上からUターンして東へ進み、結果的には上陸しませんでした。

そのまま通過した例

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【例2】1978年の台風6号

1978年の台風6号は、マリアナ諸島付近で迷走した後、九州の南海上から東シナ海を通って中国大陸に上陸しました。(奄美付近で熱帯低気圧に変わり、東シナ海で台風に復活)

東シナ海から日本海に進んだ例

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【例3】1968年の台風7号

1968年の台風7号は九州の南から東シナ海に留まり、その後対馬海峡から日本海に進みました。

この台風が温低化したあと、台風の運んできた湿った空気が岐阜県に集中豪雨をもたらし、飛騨川に土石流とともにバスが転落、104名が亡くなる史上最悪のバス事故が発生しています。

今後の進路の決め手は?

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通常、台風は太平洋高気圧の縁に沿うように進み、日本付近では上空の強い風(偏西風)に乗って、西から東へスピードを上げて進む傾向があります。

ところが、現在は…
太平洋高気圧は東の海上へ偏り、日本付近への張り出しが弱い状態。さらに、偏西風も、まだ日本より北に位置しています。このため、通常の流れに乗れておらず、今後も台風10号の進路は予想しずらい状況です。

週末~週明けに本州南岸付近まで戻った頃、日本海に進んでくる低気圧や前線によっても、台風10号の動きや強さが左右される可能性があり、今後も目が離せません。