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緊急地震速報の気象庁誤報
なぜこうなったのか?

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2018/01/05 12:12 ウェザーニュース

2016年8月1日の夕方、17時09分頃、関東地方を震源とするM9.1、最大震度7という、震災レベルの緊急地震速報が気象庁から発表されました。

ただ実際は本物の地震ではなく、間もなく該当の情報が取り消されました。

なぜ、このような事が起きたのか。
流れと仕組みを解説していきます。

何が起きたのか?

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今回の緊急地震速報では、発表直後に会員向け地震アプリの利用者に通知が届き、鉄道が止まり、ビル内のエレベータが止まりetc…と首都圏を中心に少なからず影響が広まりました。

一方で、多くの人が知るエリアメールや、一般のテレビ放送では通知されませんでした。

情報が【出た】ところ、【出なかった】ところがあったことになります。

これは気象庁が配信する緊急地震速報の種類によるものなのです。

緊急地震速報は2種類ある

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高度利用者向けと一般利用者向け

高度利用者向けの緊急地震速報(予報・警報)とは、

・「少しでも早く情報を知りたい」

・「震度4以下の地震でも情報を知りたい」

・「情報を元にシステムを制御したい」


というニーズを持つ、事業者や特定の人だけに配信される緊急地震情報です。

対して、一般利用者向けの緊急地震速報(警報)は不特定多数の人に向けて配信される情報です。

今回、これだけ大きな地震の速報でありながら、配信されたのは「高度利用者向けの緊急地震速報(予報)」でした。

特定の人、事業者だけに配信されたのには緊急地震速報が配信される、ある仕組みが関係しています。

揺れを観測した数が影響

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緊急地震速報は全国に配置されている地震計で揺れを感知したら即座に配信されますが、
情報の精度を高める仕組みとして、一般利用者向けには2か所以上の地震計で揺れを感知しないと配信されません。

ただし、少しでも情報を早く知りたい「高度利用者向け」には1か所で感知した時に即座に配信されます。
(ただし弱い揺れの感知では配信されません。閾値は今回の説明では省きます。)

1か所で感知後、近隣の2か所目で感知しなかった場合は、揺れなかったと判断され「キャンセル報」が配信されます。

ちなみに、気象庁の発表によると、今回の配信元になった一か所目の地震計は、千葉県富津市の地点で、付近の落雷によるノイズを観測したとのこと。

これが今回、特定の人のみに配信され、キャンセルされた誤報騒ぎの流れです。

【追記】
8月12日に気象庁は、8月1日に発表した緊急地震速報(予報)の原因について、「観測点の電源部故障により、地震計(加速度センサー)の出力データに急激な変化を生じたことが判明」したと発表しました。

 電源部の故障の原因については、落雷等が影響している可能性があるとしつつも、原因の特定は技術的に困難な状況とのこと。

 同じ原因で緊急地震速報(予報)が発表されるのを防ぐための対策は検討中。それまでの当面の措置として、電源部故障の対応が必要な「基盤強震観測網(KiK-net)」の観測点全15地点の利用を、8月9日18時30分以降、停止しています。これにより、当該観測点近くで浅い地震が発生した場合に、「地震検知が最も長いケースで4秒程度遅れる可能性」が考えられるとしています。

 停止された観測点は真岡、霞ヶ浦、江戸崎、銚子中、蓮沼、千葉、勝浦東、鴨川、富津、厚木、八王子、所沢、岩槻、伊勢崎、御代田です。

知識を持つ事も備え

首都圏直下地震や、東海地震の発生が不安視される中の今回の気象庁の誤報騒ぎ。

大混乱には陥らなかったものの、迷惑だ!という声も多く出ています。

ただ緊急地震速報の仕組みを知っているか知っていないかで、身構え方は変わってくるはずです。
いざという時の備えの一つとして、知識を持つことも重要です。

【さらに詳しく】今回の流れを動画解説
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