紅葉 Ch.

今年の紅葉解説

色づき鮮やかで
見頃時期は例年並みの予想

見頃の時期は、標高の高い山は例年より遅く、全国的に例年並み

紅葉は秋の気温と深く関係しており、気温が低いと紅葉の時期が早まり、高いと遅くなります。今週末は秋雨前線が北上して気温が上昇し、西日本~東北は残暑となるところが多くなりそうです。その後は例年並みの気温になる予想です。このため、例年9月中に見頃を迎える東北や中部の標高の高い山では、残暑の影響を受けて例年に比べ、見頃が遅れる可能性があります。その他、見頃が例年10月以降の地域では、例年並みの11月中旬から12月にかけて見頃を迎えそうです。

夏の十分な日照と秋の冷え込みで色づきは鮮やか

色づきの良さは、夏の葉の育ちや傷み具合、秋の気温や日照時間に影響されると言われています。夏の日照不足は色づきを悪くし、秋の移動性高気圧がもたらす朝の冷え込みや昼の晴天は、色づきを良くします。今年の夏は、ほとんどのエリアで十分な日照があり、光合成が活発に行われて、紅葉の色を出す色素のもとも活発に作られたと考えられます。また、一般的に台風の接近・上陸に伴う風で葉がダメージを受けると色づきがいまいちになると言われています。9月初め、九州に上陸した台風の影響は比較的小さく、葉への大きな影響はないと考えられます。今後、北日本では天気が周期変化し、ひと雨ごとに秋が深まって順調に色づきが進み、鮮やかな紅葉が期待できそうです。西~東日本では9月後半~10月前半は前線や台風の影響でぐずついた日が多くなり、台風の進路によっては一部の地域で葉がダメージを受ける可能性があります。ただ、その後は秋晴れの日が多くなり、色づきは順調に進む見込みです。

地域別の紅葉見頃傾向

◆北海道
北海道は、8月末に低気圧が通過して気温が下がりました。このため、大雪山ではすでに色づきが始まっており、例年よりも少し早い時期に見頃を迎えそうです。今後、気温は例年並みになる予想で、多くのエリアでは例年通りの時期に見頃を迎えます。色づきに関しては、今後天気が周期変化して次第に秋らしく冷え込む日が多くなる予想から、鮮やかな色づきを期待できます。
◆東北
東北地方では今週末に気温が上がる予想で、八幡平など標高の高い山では例年よりも色づきの時期が少し遅くなります。その後は例年並みの気温となる予想で、多くのエリアでは例年通りの時期に見頃を迎えそうです。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあり、今後天気が周期変化して次第に秋らしく冷え込む日が多くなる予想から、鮮やかな色づきを期待できます。
◆関東
関東地方は9月下旬以降、気温が例年並みになる予想です。このため、色づきの時期も例年並みとなり、標高が高い日光などの地域は10月中旬頃、都心の公園などは11月中旬~12月上旬に見頃を迎えそうです。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあり、10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。
◆中部
中部は今週末、気温が上がる予想で、立山など標高の高い山では例年よりも色づきの時期が少し遅くなります。その後は例年並みの気温となる予想で、多くのエリアでは例年通りの時期に色づきが進み、11月下旬にかけて東海平野部まで見頃エリアが広がる見込みです。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあったこと、10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。
◆近畿
近畿地方は9月下旬以降、気温が例年並みになる予想です。そのため、色づきの時期も例年並みとなり、高野山など標高の高い山では10月終わり頃から、市街地では11月中旬頃から見頃を迎える名所が多くなります。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあったこと、10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。
◆中国
中国地方は9月下旬以降に気温が例年並みになる予想です。そのため、色づきの時期も例年並みとなり、大山など標高の高い山では10月下旬頃から、市街地では11月中旬頃から見頃を迎える名所が多くなります。10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。
◆四国
四国地方は9月下旬以降に気温が例年並みになる予想です。そのため、色づきの時期も例年並みとなり、石鎚山など標高の高い山では10月中旬頃から、市街地では11月中旬頃から見頃を迎える名所が多くなります。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあったこと、10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。
◆九州
九州地方は9月下旬以降に気温が例年並みになる予想です。そのため、色づきの時期も例年並みとなり、下城の大イチョウなど山沿いでは10月終わり頃から、市街地では11月中旬頃から見頃を迎える名所が多くなります。色づきに関しては、夏は日照時間が十分にあったこと、10月後半からは秋晴れの日が増えることから、鮮やかな紅葉が期待されます。ただ、今後台風が接近した場合、特に沿岸の地域では葉にダメージを受ける可能性があります。