花粉プロジェクト2012
第1章 今年の飛散の特徴
各地とも飛散開始は遅め
2011~2012年の冬は強い寒気が流れ込み、各地で厳しい寒さとなりました。このため、全国的に花粉の飛散開始が遅く、スギ花粉は2月上旬からの飛散開始となりました。全国的には1~2週間遅く、東北などでは3週間程遅くなった所もありました。西~東日本では、2月下旬に一時的に寒さが緩んだタイミングで花粉が飛散開始。西・東日本では飛散量が多い日・少ない日を繰り返しながら、徐々に飛散していったようです。スギ花粉の飛散ピークは、九州や四国では3月上旬~中旬、その他の西日本や関東、東海では3月中旬~下旬。続いて、3月下旬頃には今度は北陸や東北で飛散量が増加。3月末~4月中旬に飛散のピークとなりました。一方でヒノキ花粉は、3月末の寒さが緩んだタイミングで九州・四国から一気に飛散し始め、その後、本格的に春らしくなってきた4月中旬から近畿、東海、関東などでも風が強い日や晴れて暖かい日に飛散量が増加しました。
スギ・ヒノキ花粉は北・東日本は昨年の40%、西日本は同程度に
シーズンを通しての飛散量は、全国的には過去5年平均の9割前後、昨シーズンの半分程度の飛散となりました。ただ、西日本中心に過去5年平均並みかやや多い飛散量となった所が多く、九州では過去5年平均と比較しても飛散量が多くなりました。
これは、2012年の春は、九州など西日本は晴れて気温が上がる日が多く、雨が少なくなったため、花粉が飛びやすい日が多くなったことが要因と考えられます。花粉が一度飛散すると、夜の間に上空から地上付近に落ちてくることが多いのですが、一度落ちた花粉が雨で洗い流されることなく、再び風にのって飛散したことも考えられます。なお、昨シーズンと比べると、九州では少ない県でも昨シーズンの6割程度、多い県では昨シーズンの9割程度となり、西日本を中心に昨年の40~70%、東・北日本では昨シーズンの5割前後となりました。
また、花粉シーズンの長さは、寒さの影響で飛散開始が遅れた県が多かったため、花粉の昨シーズンより数日短くなった所が多くなりました。症状は全国的には昨シーズンよりやや緩和されたようですが、一部に昨シーズンより症状が悪化している県もあり、大幅な症状緩和とまではいかなかったようです。