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2013年10月26日

雨のピークは越えても安全な場所で

25日、伊豆大島の全域に避難勧告、3地区に避難指示が発令されたので、島内の避難所に入りました。(東京都大島町ノマドさんのウェザーリポートより)

前線と台風27号の影響で、伊豆大島では全域で避難勧告が出され、25日夜、土砂災害の危険性がさらに高まったとして、元町地区・泉津地区・岡田地区のそれぞれ一部の地域に「避難指示」が発表されていました。※夕方までにすべて解除されました。

◆伊豆大島:電話中継の様子
大島町ホテル白岩の江口様に、24時間インターネット番組【SOLiVE24】に電話出演にご協力頂きました。
・現在の天気(朝9時の時点)
雨よりも風が強い。立ち木が左右に揺れている状況。風は常時強いわけではなくて強弱がある。夜中の1時半頃が1番雨が強かった。雨風に関しては台風26号よりもましである。

・2時10分の地震
ただ、2時頃の地震で土砂が崩れた振動かと思い、玄関をあけて外に出た。
・避難指示、勧告について
ホテルは避難指示のため、出勤できる状態ではない。自宅待機中。自宅のある地区は避難指示が出ているとテレビが出ていたが、全体だったのか一部なのか避難情報がわからない。自宅周辺は急斜面、こう配が全然ないところで、防災無線を気にしながら待機している。今、防災無線が出まして、避難勧告は継続するとのこと。

◆今後の注意点
台風27号は八丈島の南海上を通過し、15時50分温帯低気圧になりました。雨のピークは越え、27日はだんだん天気回復していきます。ただ、雨で地盤が緩んでいるため、急な斜面には近づかないで下さい。また朝晩、気温も低めでひんやりします。暖かくしてお過ごし下さい。

伊豆諸島の実効雨量マップ


土の中に含まれる雨水の量。赤くなるほど、水分が多く含まれることを表します。

最新台風27号情報
台風27号、28号の最新の情報を確認することができます。
伊豆大島のピンポイント天気
伊豆大島専用のピンポイント天気の解説を見ることができます。
伊豆諸島の警報・注意報
伊豆諸島の警報・注意報を確認することができます。
これまでの大島減災リポートマップ
土砂災害のあった16日以降の現地リポートをみることができます。※安全な場所からリポート送信された場合、実際の位置と異なる場合があります。

◆10月16日の土砂災害の解説
10月16日、台風26号接近に伴ってできた前線が停滞したことで、伊豆大島では16日未明に、記録的な大雨となり、島の玄関口である元町では土石流により住宅が流されるなどの甚大な被害が出ました。


◆土石流発生のメカニズム
伊豆大島は1986年の三原山の噴火で知られるように火山島です。これまでの火山活動で溶岩や火山灰、スコリアと呼ばれる黒い軽石が積み重なって出来ていて、水を通しやすい地層と、通しにくい地層があり、一般にその境目は崩れやすいと言われています。
今回、空中から撮影された写真を見る限り、土石流が発生した場所は、伊豆大島のカルデラの外側の斜面で、傾斜も急な場所です。土石流の直撃を受けた麓では、黒色の細かい火山灰のような堆積物や、多数の流木が目立ちました。また、土石流の源頭部では、三原山へアクセスできる御神火茶屋展望台に続く登山道のアスファルトが残されていることから、地表面に非常に近い未固結の火山噴出物が多量の雨により飽和し「表層崩壊」して土石流が発生。また、沢山の流木で一時的に「土砂ダム」を作り、それらが決壊したことにより、土石流が市街地へ一気に押し寄せたと考えられます。


◆火山周辺では噴火後も長年にわたり二次災害(土石流)に要注意
今回と同じような現象は、昨年2012年7月の九州北部豪雨の際、熊本県阿蘇山でも見られました。当時、阿蘇山のカルデラの内側の斜面でも土砂崩れが発生。阿蘇山の崩壊した場所は、約9万年前のカルデラを形成した未固結の火山噴出物の斜面が崩れて被害が出ました。火山が噴火している間だけが危険ではなく、噴火後、何十年、何百年、何万年たっても、このように二次的な災害になるケースもよくあることです。大雨が予想された時、火山周辺では切り立った斜面などには近づかない等の注意が必要です。