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2013年10月25日

深夜から強雨、夜遅くなる前に安全な場所へ

台風27号の接近に伴って、伊豆大島では全域で避難勧告が出されていましたが、大島町は土砂災害の危険性がさらに高まったとして、元町地区・泉津地区・岡田地区のそれぞれ一部の地域に「避難指示」が発表されました。避難用にバスの運行もあり、自治体の移動手段を十分に活用して身を守って下さい。

◆伊豆大島:電話中継の様子
大島町ホテル白岩の江口様に、24時間インターネット番組【SOLiVE24】に電話出演にご協力頂きました。
・現在の天気
夕方以降から、大粒ではなく細かい雨がしとしと雨が降っている。風はあまり気にならない。台風の接近はまだ全然感じてない。いつもと大島の雨と変わりない。

・避難勧告か指示について
避難情報にいつもよりもかなり敏感になっている。周りの皆さんも防災無線を気にしながら聞いている。
・避難所について
ホテルは危険区域内にあったため、夕方五時半頃には退社して現在は自宅にいる。まだ避難所には行ってないがかなりの人数が集まっている。物資が行き渡っているかどうかはわからない。
・自宅の備え
台風26号の時に停電や断水にもなったので、今回も水や電池などの対策の準備はしている。
・台風26号の被害
まだ行方不明者がかなりいて、家を流された知人も沢山いる。自分の親戚夫婦も2人亡くなりまして旦那さんの方がまだ見つかってない。救援に来ているがまだまだ復旧はしているとは思えない。先週と変わらない状況。
・最も欲しい情報
雨の情報は入手できるが土砂が流れやすい場所を知りたい。普段の大島は火山島でもあるので、水はけもよくどんなに雨が降ってもすぐに吸収されて海に流れる。過去にこんな経験はない。普段は水が流れてない川、沢があり、水や土砂が流れ出したら、どっちに流れるのかが知りたい。

◆今後の注意点
当初、台風27号は西・東日本に接近する可能性がありましたが、日本の南にあるジェット気流にのったため、本州の南を通過するコースでほぼ確定しました。

島内へは25日(金)は、午後ほど雨が降ったり止んだりが続き、深夜から未明は、前回の台風26号ほどではありませんが、強雨になる恐れがあります。先週、土石流が発生した場所と同じように崩れやすい斜面がまだあることから、被害が拡大しないためにも、急な斜面、谷沿いにお住まいの方、前回いつもとは違う異変に気づいた方は、夜遅くなる前に早めに安全な場所に移動するようにして下さい。また、気温も低めでひんやりするため体調管理にもご注意下さい。

台風の進路次第で雨のタイミングが変化する可能性があります。こまめに最新の台風情報をご確認下さい。
最新台風27号情報

伊豆諸島の実効雨量マップ


土の中に含まれる雨水の量。赤くなるほど、水分が多く含まれることを表します。

伊豆大島のピンポイント天気
伊豆大島専用のピンポイント天気の解説を見ることができます。
伊豆諸島の警報・注意報
伊豆諸島の警報・注意報を確認することができます。
これまでの大島減災リポートマップ
土砂災害のあった16日以降の現地リポートをみることができます。※安全な場所からリポート送信された場合、実際の位置と異なる場合があります。

◆10月16日の土砂災害の解説
10月16日、台風26号接近に伴ってできた前線が停滞したことで、伊豆大島では16日未明に、記録的な大雨となり、島の玄関口である元町では土石流により住宅が流されるなどの甚大な被害が出ました。


◆土石流発生のメカニズム
伊豆大島は1986年の三原山の噴火で知られるように火山島です。これまでの火山活動で溶岩や火山灰、スコリアと呼ばれる黒い軽石が積み重なって出来ていて、水を通しやすい地層と、通しにくい地層があり、一般にその境目は崩れやすいと言われています。
今回、空中から撮影された写真を見る限り、土石流が発生した場所は、伊豆大島のカルデラの外側の斜面で、傾斜も急な場所です。土石流の直撃を受けた麓では、黒色の細かい火山灰のような堆積物や、多数の流木が目立ちました。また、土石流の源頭部では、三原山へアクセスできる御神火茶屋展望台に続く登山道のアスファルトが残されていることから、地表面に非常に近い未固結の火山噴出物が多量の雨により飽和し「表層崩壊」して土石流が発生。また、沢山の流木で一時的に「土砂ダム」を作り、それらが決壊したことにより、土石流が市街地へ一気に押し寄せたと考えられます。


◆火山周辺では噴火後も長年にわたり二次災害(土石流)に要注意
今回と同じような現象は、昨年2012年7月の九州北部豪雨の際、熊本県阿蘇山でも見られました。当時、阿蘇山のカルデラの内側の斜面でも土砂崩れが発生。阿蘇山の崩壊した場所は、約9万年前のカルデラを形成した未固結の火山噴出物の斜面が崩れて被害が出ました。火山が噴火している間だけが危険ではなく、噴火後、何十年、何百年、何万年たっても、このように二次的な災害になるケースもよくあることです。大雨が予想された時、火山周辺では切り立った斜面などには近づかない等の注意が必要です。